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イチイ
危なそうな赤い果実には毒は無いそうです。鳥はイチイの実は食べても種は吐き出すといいます。甘味があっておいしいっていいますが、ちょっと怖いですね。庭木によく植えられていますが、実や葉は果実酒としても利用されています。また、樹皮は染色材料にもなっています。
毒草名
イチイ、アララギ、オンコ、ヘダノキ、ミネズボ、Common Yew
学 名
Taxus cuspidata SIEB. et ZUCC.
特 性
イチイ科 イチイ属、禁じられた森に生える雌雄異株の常緑高木(耐寒性針葉樹)
花 期
3〜4月、果期9〜10月
毒部位
葉、枝、種
成 分
タキシン(Taxine)、タキニン、タキソール(Taxol)
症 状
痙攣、心臓麻痺、硬直、呼吸麻痺
赤くて美味しそうな実です。果肉の毒性は低いといいますが毒とわかっているとちょっと口には入れずらいですね。寒さに強い常緑針葉高木なので寒冷地の生け垣きなどによく利用されていますが、落ちた実を食べた子犬が死んだって話もあります・・・。
堅くてしなりが強いので、昔は長距離用の弓の材料に使われていました。あのロビン・フッドの弓もシャーウッドの森に生えるイチイの堅い枝から出来ていたといわれています。学名の“taxus baccata”は「弓」を意味するギリシャ語[taxon]に由来し、英語の毒素[toxin]の語源にもなっています。和名「イチイ」とは古くは朝廷の時代に高官の用いる「シャク」を作るのに飛騨位山に産するこの木を使っていたため、高官より「一位」の呼び名を賜ったものと伝えられています。結構エリートだったんですね。
春の新芽です。
古くヨーロッパでは火葬の際の薪に使われてました。また、イチイは死者が地中から出す毒性の発散物を吸収する力があるとされていて墓地に多く植えられていました。
-------- 西洋イチイ(Taxus baccata L.) --------
「ユーツリー」と呼ばれ体力増強や免疫力を高めるサプリメントとして販売されています。カエサル(ジュリアス・シーザー)は『ガリア戦記』中において「 カトゥウォルクスは,最早年老いて戦争や逃亡の労苦に耐える力を失い、陰謀の中心で あったアンビオリクスをあらゆる言葉で呪った末に、ガリア地方やゲルマニアに自生し ているイチイの毒を仰いで自ら命を断ちました。(Resource: 朝日新聞社発行「植物の世界」)」と記しています。 ガリアとは今のフランスにあたります。
≪MEMO≫
・種にタキシンを含む。赤い実は美味しいという....。
・ヨーロッパイチイ(Taxus baccata)
・オンコ酒:琥珀色の果実酒。
・ホグワーツの禁じられた森にも生えている。
・あららぎの くれなゐの実を 食むときは ちちはは恋し 信濃路にして (斎藤茂吉)
・樹皮は浅く縦に裂ける。
・ケルトの戦士は槍先にこの毒を塗って戦った。
・ハリー・ポッターの宿敵で最強の闇の魔法使いであるヴォルデモート卿の使う杖材料。
・一位一刀彫:飛騨の伝統工芸品。岐阜県の県木とされている。
・鉛筆の材料。
・仄かな香りを持つため「山白檀」とも呼ばれる。
・天然記念物のイチイ
治郎兵衛のイチイ (岐阜県)
船通山のイチイ (鳥取県)
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